はじめに
こんにちは。
今回は、Salesforceで例えば「行動」や「ToDo」の関連先(WhatId)項目のような複数のオブジェクトを参照できる項目について、その項目で選択したオブジェクトに応じてフローの処理を分岐させる方法をご紹介します。
複数のオブジェクトを参照できる項目とは、で、取引先・商談・ケースなど異なるオブジェクトを参照可能です。
参照先オブジェクトを判別する方法
参照先オブジェクトを判別するには、SalesforceのレコードIDに着目します。
レコードIDの先頭3文字は、Salesforceがオブジェクトごとに割り当てるコードになっており、このコードを基にオブジェクトの種類を特定できます。
例えば、以下のようなルールがあります。その他のオブジェクトについてはこちらの Salesforce Help をご覧ください。
オブジェクト | レコードIDの先頭3文字 |
---|---|
取引先 | 001 |
商談 | 006 |
ケース | 500 |
取引先責任者 | 003 |
この仕様を活用し、複数のオブジェクトを参照できる項目のレコードIDをチェックすることで、どのオブジェクトと紐づいているのかを判別することができます。
参照先オブジェクトに応じて分岐する方法
今回は例として、「ToDo」オブジェクトでレコードを作成した時に、「関連先」項目で「取引先」、「商談」を選択していたら、「件名」項目をそれぞれの場合に応じて更新するフローを設定し、処理を分岐させる方法をご紹介していきます。
設定手順
1. フローを作成
[設定] > [フロー] > [新規フロー] を選択し、[レコードトリガーフロー]でフローの作成を開始します。
2. [開始] を設定
どのオブジェクトでどのタイミングでこのフローを起動させるかを設定します。今回は「ToDo」オブジェクトでレコードが作成された時に起動するよう設定します。
3. 分岐の処理を設定
フローの[決定]要素によって、「ToDo」で作成されたレコードの「関連先」項目で「取引先」、「商談」が選択されているかを確認します。
この要素で「取引先」の場合、「商談」の場合、その他のオブジェクトの場合で処理を分岐させる事が可能になります。
取引先が選択された場合について設定
フローの[決定]要素をフローに追加した後、画面右下の[結果]に分岐先を追加していきます。
前述の【参照先オブジェクトを判別する方法】でお伝えしたように、取引先のレコードIDは必ず "001" から始まるのでその性質を利用して、この分岐に進む条件を以下のように設定します。
リソース: {!$Record.WhatId} (ToDoの「関連先」項目)
演算子: 次の文字列で始まる
値: 001
商談が選択された場合について設定
取引先と同様に設定を進め、商談のレコードIDは必ず "006" から始まるのでその性質を利用して、この分岐に進む条件を以下のように設定します。
リソース: {!$Record.WhatId} (ToDoの「関連先」項目)
演算子: 次の文字列で始まる
値: 006
取引先・商談以外が選択された場合について設定
「関連先」項目には「取引先」「商談」以外にも選択できるオブジェクトが存在するので、その場合に関しても選択肢を設定します。ラベル名を設定するのみです。

4. 各分岐に処理を設定
「関連先」項目に「取引先」が選択された場合、「商談」が選択された場合のそれぞれに応じて、実施する処理を設定します。
今回は「件名」項目を更新する設定を以下のように行います。
取引先の場合:「件名」項目を"取引先"に更新
商談の場合:「件名」項目を"商談"に更新
設定は以上になります。最後にフローの保存・有効化を忘れずに行い、実際に分岐の設定ができているかどうか見ていきましょう。
設定内容の確認
設定内容の確認として、ToDoレコードを新規作成し、「関連先」項目で"取引先"、"商談"、それ以外を選択した場合に「件名」項目の値がどうなっているかを見ていきます。
取引先
レコード作成画面で「件名」を"Call"と設定し保存しましたが、無事"取引先"に更新されています。
商談
こちらも同様にレコード作成画面で「件名」を"Call"と設定し保存しましたが、無事"商談"に更新されています。
それ以外
レコード作成画面で「件名」を"Call"と設定し保存しましたが、「関連先」にキャンペーンを設定しているので件名は更新されていません。
まとめ
今回は、Salesforceで複数のオブジェクトを参照できる項目の参照先に応じて処理を分岐する方法について解説しました。
レコードIDの先頭3文字はオブジェクト毎に固定、という性質を利用する事で、参照先オブジェクトの種類に応じた適切な処理を実装できます。
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