Salesforce活用記事 レポート

商談所有者と取引先所有者が不一致のレコードをレポートで抽出する方法

はじめに

こんにちは。
Salesforceのレポート機能を利用して、「商談所有者」と「取引先所有者」が一致しないレコードを抽出する方法について解説します。検索条件では単純なAND条件やOR条件での指定が難しいため、レポートのカスタマイズや数式項目の活用が必要となります。

では設定方法を解説していきます。

実装方法

事前情報

Salesforceの標準レポート機能では、「商談所有者」と「取引先所有者」が一致しないという検索条件を直接設定することができません。そこで、数式項目を作成し、その値を利用してレポート抽出を行う方法を紹介します。

設定方法

①商談で項目を作成

まず、商談オブジェクトに数式項目を作成し、商談所有者と取引先所有者が一致しているかを判定する項目を追加します。

【手順】

1.[設定] > [オブジェクトマネージャー] > [商談] を開く(画像①,②)

画像①
画像②

2.[項目とリレーション] > [新規] をクリック(画像③)

画像③

3.データ型:「数式」 を選択し、適切なラベルを設定(例:「所有者の一致判定」)(画像④.⑤)

画像④
画像⑤

4.戻り値のデータ型:「チェックボックス」 を選択(画像⑥)

画像⑥

5.数式の内容を設定:OwnerId = Account.OwnerId(画像⑦)

この数式は、「商談所有者」と「取引先所有者」が一致する場合に True を返し、不一致なら False を返します。

画像⑦

6.[次へ]をクリックし、保存(画像⑧)

画像⑧

②レポートを作成

次に、作成した数式項目を利用して、レポートで「商談所有者」と「取引先所有者」が異なるレコードを抽出します。
具体的な方法として、検索条件に先ほど作成した「所有者の一致判定」項目の値が"False"(チェックがついていない)であることを設定する事で抽出します。

【手順】

1.[レポート] タブを開き、[新規レポート] をクリック(画像①)

画像①

2.レポートタイプ:「商談」 を選択(画像②)

画像②

3.作成した数式項目「所有者の一致判定を項目列に追加(画像③赤枠内)

画像③

4.[検索条件]タブから以下の検索条件を追加(画像④赤枠内)

項目:[所有者の一致判定] 所有者の一致判定:[False]

画像④

5.[保存&実行]をクリック

以上の設定により、商談所有者と取引先所有者が異なる商談レコードのみが表示されます。(画像⑤)

画像⑤

まとめ

Salesforceレポートの検索条件だけでは対応できない「商談所有者」と「取引先所有者」の不一致レコードを抽出する方法を紹介しました。

紹介した手順をおさらいすると、以下になります。

数式項目を作成 (商談所有者と取引先所有者を比較)
レポートのフィルターを設定 (数式項目の値を利用)

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Suzuki

Salesforceの認定資格「Salesforce認定アドミニストレーター」を保有しています。 IT業務経験ゼロからSalesforceに関する実務に携わってきた経験をもとに、初心者の目線に立って各種機能の活用方法や設定手順をステップバイステップでわかりやすくご紹介します。

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