Salesforce標準機能紹介記事

標準レポートより柔軟にデータ分析をする方法

はじめに

こんにちは。
今回は、標準レポートより柔軟にデータ分析をする方法についてご紹介します。
Salesforceではカスタムレポートという機能によって、例えば地域別のリード獲得率のような、標準レポートタイプでは表示しきれない項目のレポートを作成することが可能となります。

では機能について詳しくご紹介していきます。

カスタムレポートタイプの基礎知識

レポート機能とは?

レポート機能とは、Salesforce上に保存されているデータから任意の条件に合うものを絞り込み、表やグラフとして表示する機能です。

絞り込み条件を工夫することで、売上金額の分析、営業チームの商談状況の把握や顧客から受けた問い合わせのステータスを把握するなどの、業務効率化をサポートすることが可能となります。

カスタムレポートタイプとは?

①標準レポートタイプとカスタムレポートタイプ

レポート機能のタイプには、標準レポートタイプとカスタムレポートタイプがあります。

標準レポートタイプは、Salesforceであらかじめ用意されているレポートタイプです。簡単に作成できるのがメリットですが、設定できる項目の組み合わせに限りがあるのがデメリットです。

②カスタムレポートタイプの特徴

カスタムレポートタイプとは、ユーザが独自に定義したレポートタイプです。標準レポートタイプでは対応できない形式のレポートタイプを定義するために用いられます。

カスタムレポートタイプを作成することで、標準レポートタイプでは表示できないカスタムオブジェクトの情報も表示することが可能です。

③作成方法

カスタムレポートタイプの一般的な作成方法を説明します。

レポートタイプの新規作成

[設定]から[ホーム]で[レポートタイプ]を検索します。

次に、[新規レポートタイプ]を選択すると、画像①のような設定画面が出てきます。レポートタイプの定義を設定するために、赤い箇所の必須項目に任意の値を入力していきます。

画像①

※リリース状況は「開発中」とすれば、ユーザーに見せずにレポートタイプを作成できますが、完成後に「リリース済み」に変更することを忘れるとユーザーがレポート作成時に利用することができませんのでご注意ください。

次に、レポートレコードセットを定義してきます。

画像②のように、前画面で設定した主オブジェクトが[A]欄に、レポート結果のイメージ図が右側に表示されています。

[クリックして他のオブジェクトと関連付ける]をクリックします。すると、画像③のように、[B]に追加オブジェクトが表示されるので、選択リストから関連させたいオブジェクトを選択します。

[B]の[AtoBリレーション]は、右側のイメージ図を参考に表示させたい範囲に従って、選択していきます。

画像②
画像③

最後に保存をクリックします。

レポートの開始

[レポート]から[新規レポート]をクリックします。

レポートタイプで設定した[カテゴリに格納]に先ほど作成したカスタムレポートが格納されているので、該当レポートを選択します。

画像④の画面が表示されますので、[レポートを開始]をクリックして、レポート編集作業に入ります。

画像④

これでカスタムレポートの作成は完了です。

使用例

具体的な使用例として、レポートで顧客の地域別にリード状況を把握する方法をカスタムレポートタイプで表示していきます。

先ほど説明した「カスタムレポートの作成方法」の順にカスタムレポートを作成してきます。

レポートで顧客の地域別にリード状況を把握する方法

①事前準備

まず、リードに「地域」データがない場合には、地域情報を追加します。

[設定]から[オブジェクトマネージャー]を開き、[リード]を検索し、[項目とリレーション]を選択します。

[新規]をクリックし、カスタム項目を作成していきます。

今回は項目タイプを[選択リスト]とし、画像①のように、任意の値を入力しています。

画像①

そのまま最後まで保存して、事前準備は完了です。

②カスタムレポートタイプの新規作成

[設定]から[ホーム]で[レポートタイプ]を検索します。[新規レポートタイプ]をクリックし、画像②のように必須項目に任意の値を入力していきます。

今回は、主オブジェクトを[リード]、任意の値を以下のようにしました。

主オブジェクト:リード

表示ラベル:地域別効果測定レポート

レポートタイプ名:CustomReportType_c

画像②

次に、レポートレコードセットの定義ページに移動します。

今回は営業活動中のもののみを表示させたいので、画像③のように関連オブジェクトを[各「A」レコードには関連する「B」レコードが1つ以上必要です]を選択します。

画像③

保存をクリックし、カスタムレポートを作成を完了します。

③レポート上の表示設定

[レポート]から[新規レポート]をクリックし、画像④のように、[リード]に格納した「地域別効果測定レポート」を選択し、レポートを開始します。

画像④

次に、事前準備で作成した[地域リスト]を画像⑤のように、アウトラインの[行をグループ化]の部分に追加します。

そして、今回はリード状況を表示させたいので、画像⑥のように[列をグループ化]に[リード状況]を追加します。

画像⑤
画像⑥

すると、レポート上で顧客の地域ごとのリード状況が表示されるようになります。

主な注意点

カスタムレポート機能の使用には制限事項や考慮事項が存在します。ここでは主な事項をご紹介します。
詳細は、こちらのSalesforce Helpをご確認ください。

  • 表示する権限のないオブジェクトも含めて、すべてのオブジェクトから選択できます。
  • レポートタイプを保存したら、主オブジェクトを変更することはできません。
  • レポートタイプの主オブジェクトがカスタムオブジェクトまたは外部オブジェクトであり、そのオブジェクトが削除されている場合、レポートタイプとそれから作成されたレポートは削除されます。
  • レポートタイプからオブジェクトを削除すると、そのオブジェクトへのすべての参照と関連するオブジェクトが、そのレポートタイプに基づくレポートとダッシュボードから削除されます。
  • 主オブジェクトの名前は [表示ラベル (複数形)] 項目から派生します。関連オブジェクトの名前は [関連リストの表示ラベル] 項目または主オブジェクトに対するリレーションを定義するカスタム項目から派生します。
  • Essentials Edition では、子オブジェクトを追加するときに、主オブジェクトとのリレーションは変更できません。
  • カスタムレポートタイプを作成し、そのレポートタイプに基づいて、組織のレポートとダッシュボードについてレポートします。[主オブジェクト] ドロップダウンリストから、[レポート] または [ダッシュボード] を選択します。

まとめ

今回はカスタムレポートタイプという機能によってレポートで顧客の地域別にリード状況を把握する方法を紹介しました。
この機能を利用することで様々な情報をよりニーズに合わせて柔軟なデータ分析ができるため、標準レポート機能を超えた経営戦略の構築が可能となり、とても有用な機能です。

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Suzuki

Salesforceの認定資格「Salesforce認定アドミニストレーター」を保有しています。 IT業務経験ゼロからSalesforceに関する実務に携わってきた経験をもとに、初心者の目線に立って各種機能の活用方法や設定手順をステップバイステップでわかりやすくご紹介します。

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