Salesforce標準機能紹介記事

レポートで複雑な条件によってデータを絞り込む方法

はじめに

こんにちは。

今回はSalesforceのレポートで「検索条件ロジック」機能についてご紹介します。検索条件ロジックを使用することで、複数の検索条件を組み合わせ、より柔軟なデータの抽出が可能になります。

では機能について詳しくご紹介していきます。

検索条件ロジックの追加の基本知識

「検索条件ロジックの追加」機能とは?

検索条件ロジックとは、Salesforceレポートで複数の検索条件を組み合わせる際に、ANDORNOTといった論理演算子を活用して、条件をカスタマイズする機能です。

「検索条件ロジックの追加」の設定内容と方法

まず、レポートタブから該当のレポートを選択し、[編集]をクリックします。編集画面に移動したら、画像①のように、[検索条件]タブをクリックします。

画像①

次に条件を追加します。なお、検索条件ロジックを使用するには、2つ以上の条件を設定する必要があります。

画像②

次に、画像③のように、[検索条件]の下にある▼から[検索条件ロジックを追加]を選択します。

画像③

そうすると、画像④のように、検索条件ロジックの編集画面が出てきますので、論理演算子を使って編集します。追加したら適用をクリックして設定は完了です。

画像④

演算子の基本的ルールは以下の通りです。

【演算子の種類】
AND: すべての条件を満たす場合に一致(条件A AND 条件B)
OR: いずれかの条件を満たす場合に一致(条件A OR 条件B)
NOT: 指定条件を除外(NOT 条件A)※NOTは他の条件と組み合わせて使用してください(単独で使用するとエラーになります)

【条件番号】
各検索条件には自動で番号が付与されます(例: 1,2,3,4)。検索条件ロジックでこの番号を使って条件を指定します。

【括弧】
括弧を使用して条件の優先順位を明確にします。なお、開き括弧と閉じ括弧の数が一致していないと、ロジックが正しく機能しません。

使用例

具体的な使用例として、「失注商談」ではない「今年または去年の11月にクローズされた」商談レコードを表示する方法をご紹介いたします。この使用例は、前年前月との比較に使用できます。なお、本記事では「完了予定日」を商談がクローズされた日付として扱います。

「失注商談」ではない「今年または去年の11月にクローズされた」商談レコードを表示する方法

まず、レポートタブから新規の商談レポートを開始します。編集画面に移動したら、[検索条件]タブをクリックします。

次に、画像①のように、条件を追加します。また、今回追加した条件は以下のものとなります。

条件1:完了予定日 >=2023/11/1

条件2:完了予定日 <=2023/11/30

条件3:完了予定日 >=2024/11/1

条件4:完了予定日 <=2024/11/30

条件5:フェーズ 「Closed Lost」と一致しない

画像①

次に、▼から[検索条件ロジックを追加]を選択し、画像②のように演算子を活用して検索条件ロジックを編集します。今回使用するロジックは以下の通りです。

((1 AND 2) OR (3 AND 4)) AND 5

【ロジックの解説】

(1 AND 2): 2023年11月1日~11月30日の期間。

(3 AND 4): 2024年11月1日~11月30日の期間。

AND 5: どちらの期間でも「フェーズ」が「失注」ではないレコードを対象。

画像②

最後に適用をクリックし、忘れずに[保存&実行]をクリックします。

すると、画像③のように、2023/11/1~30、または、2024/11/1~30 の期間に「完了予定日」が存在し、かつ、「失注商談」でない商談のみが表示されるようになりました。

画像③

主な注意点

「検索条件ロジック」機能の使用には制限事項や考慮事項が存在します。ここでは主な事項をご紹介します。
詳細は、以下のリンクをご確認ください。

  • 以下の項目を使用する場合、検索条件ロジックは適用できません。(Salesforce Help
    • トピック
    • 住所関連の項目(例: [町名・番地 1],[町名・番地 2],[町名・番地 3])
    • 売上予測分類
    • キャンペーンのメンバー種別
    • ユーザーのプロファイル名
    • ログイン状況
    • カスタムロングテキストエリア項目
    • [元の値] 項目や [新しい値] 項目
    • 複合項目(例: [氏名])

まとめ

今回はレポートでの「検索条件ロジック」の設定方法を紹介し、具体的な活用方法の1つとして「失注商談」ではない「今年または去年の11月にクローズされた」商談レコードを表示する方法を紹介しました。
この「検索条件ロジック」という機能を活用することで、より精密な条件設定が可能になり、必要なデータの抽出が容易になります。

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Suzuki

Salesforceの認定資格「Salesforce認定アドミニストレーター」を保有しています。 IT業務経験ゼロからSalesforceに関する実務に携わってきた経験をもとに、初心者の目線に立って各種機能の活用方法や設定手順をステップバイステップでわかりやすくご紹介します。

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